学修の簡単な振り返りと後輩のみなさんへの軽いアドバイス

 ごきげんよう。くろぱんです。先々週の土曜日に卒業論文口述試験を終え、その日のうちに郷里へ帰省し、さらにはその翌日に祖父の一周忌法要(これは色々と面白かった)を終えたのですが、その矢先に身内に不幸がありまして、卒業旅行(中国鉄道周遊)に必要なパスポートも受け取りに行けていない等、色々と困った事態になっていした。まあそんな慌ただしい一週間でしたが、来週からは普通の実家暮らしに戻れそうです。

 卒論の口述試験はおそらく合格したかと思われます。通例、不合格であった場合にはその場で単位認定されないことが通達されますので、そのようなことがなければ合格ということになります。自分の研究室の卒論の実態と対策はごく一部の人にしか需要がないので、ここでは詳説しませんが、研究室の後輩には卒論に係る種々の事柄についてキチンと伝達してあげたいと思います。

 そんなこんなで、卒論を終えてもなかなか暇になれませんが、いわゆる「スキマ時間」に大学で学修の振り返りと後輩の方々への簡単なアドバイスくらいはできるもので、こんな記事を少しずつ書き進めていたりします。

大学でのカリキュラムを修了して

 幸いなことに、私は単位をほとんど落とすことなく卒業を迎えることができそうですが、今日、大学での学修を振り返ってみると、私は「留年せずに卒業するために必要なタスクをこなす」ということに終始した4年間だったように思います。

 大学4年生になると、多くの学生が一通りの単位を取得し、ゼミ・卒論+α程度の単位を取得するだけでよくなり、卒業の見通しが立つようになります。その際に「自分は大学で何を学び、何を得たいのか」についてのビジョンをきちんと持っている人は、研究に熱中できていたように思いますが、私はそういった明確なビジョンを持っていませんでした。それゆえ、卒論のための研究には苦労しました。3年生までの「単位集め」と大学での4年間の集大成としての「研究」は随分と性質の異なるタスクです。(北大文学部の)普通の講義は毎回きちんと出席し、要点を押さえて勉強していれば単位を取れたわけです。しかし、私は卒論準備において、「それぞれのタスクをどの程度やらなければならないのか」の基準をなかなか掴めずにいました。今振り返ってみれば、学問的な探求に終わりなんてない上に、教授が「合格基準」を明示なさらない以上、そんなものは掴みどころがないです。そんな基準より、研究対象そのものにもっと目を向けるべきだったのかもしれません。

 卒論に関して言えば、研究と執筆を進めれば進めるほど、自分の研究がいかに不十分なのか思い知らされますよ。怖い怖い。

「受験生」から「研究者」へ

 私は受験勉強をそれほど苦にしないタイプの人間でしたので、大学受験はそこそこ頑張れたように感じます。日々の演習問題から入学試験問題に至るまで、高校・大学受験はきちんと勉強さえしていれば、クイズ感覚で解けるような問題ばかりです。世界史は特に「クイズっぽさ」を感じていたので大好きでしたし、英単語を覚えるのも得意でした。古文も、単語と文法さえ押さえれば得点を稼げることが分かってからは随分と楽しくなりました。数学だけは基礎があやふやで全然ダメでしたが。北大は基礎を徹底的に勉強した上で、過去問や模擬試験から出題の形式と傾向を押さえれば難なく受かる大学だと思いますし、私でもそんな感じで北大生になれたわけです。

 高校でも、大学でも、第一志望に受かった人は、要点を押さえて暗記することで受験を乗り切ってきたタイプの人が多いように感じます。というか、高校のテストや大学受験向きの勉強をしようとすると、遅かれ早かれそういう勉強の仕方になる場合が多いかと思います。受験は「傾向と対策」を意識して取り組むのが得策ということでしょう。しかし、大学に入っても「傾向と対策」のようなテクニックだけで学習を続けると、特に大学生活後半の研究で躓いたり、不完全燃焼気味で終わってしまうきらいがあるようです。

 基礎的な教養科目や第二外国語を除いて、大学のテストは高校受験と違ってクイズ感が薄いですし、2年生になるころには、大学での学びと受験勉強とでは随分ノリが違うということに、薄々気付くかと思います。後輩の皆さんは、単位を得られるように努力することも大切ですが、ぜひ、与えられた課題をこなすこと(≒単位集め)から一歩飛び出して、探求したいと思える学問分野を探してみるとよいかと思います。要点を押さえた「傾向と対策」に注力する「受験生」から、自主的に学びたいと思った分野について、(たとえ4年間だけだとしても)広くなおかつ深く探求する「研究者」に変身できれば、大学での学びはきっと有意義なものになるでしょう。

ゼミ・研究室選びが超重要

 結局のところ、私の学修を振り返ると、「ゼミへの取り組み方≒研究への取り組み方」だったと思いますし、大学入学以来燃え尽き気味ながらも、なんとか卒論を完成させられたのは、2年から今期まで受けていたゼミからドロップアウトしなかったからだと思います。ゼミ選び・研究室選びは指導教員を選ぶこととほぼ同義ですし、ゼミ・研究室の選択が、最終的な研究分野の選択の一歩手前になるわけですから、ここが大学での学びの最大のキーストーンになるはずです。ゼミ・研究室選択を控えている方は、これをおろそかにせず、ぜひ、熟考した上でゼミ・研究室を決めるのがよいかと思います。大学での研究を実りあるものにしたいと考えている方は、その選択の日までに、「無限の情熱を注げる学問分野」を一生懸命探されるとよいかと思います。

 

 

...「くろぱん本人が燃え尽き&不完全燃焼気味だったくせに、偉そうなこと言ってんじゃねぇよ」って、思った方へ。後日、燃え尽き大学生のための単位収集術についても一応記事にしようと思っていますので、乞うご期待。ごきげんよう。さようなら。